花嫁と咎人
「…随分お変わりになられましたね。姫様。」
「……え?」
何か変わったかしら…。
けれど、自分では気づかない程…私は変わっていたようだ。
エルバートはクスクス笑いながら、私を見た。
「あの、ハイネという方のお陰ですかね。姫様がより一層女性らしく見えるのは。」
優しい瞳。
無性に火照る顔。
「…でも、少し悔しいです。」
エルバートは、ふと空を見上げ目を細める。
「貴女をいとも簡単に変えてしまった彼の事。」
「……エルバート…」
「…嫉妬、ですかね。」
ふふっと笑う彼。
「貴女はもう…鳥篭から飛び立ってしまったようです。」
そう言って、青空を遮るかのように静かに瞳を伏せた。
「…今更になって後悔しました。」
でもその瞳は再び開かれて。
私を見つめる。
「こうして…生き返ってしまった事。」
冗談はよしてと、私は笑った。
「…ありがとう。」
でも。
「ごめんなさい。」