花嫁と咎人
ラザレスは私の方に向き直り笑顔で言った。
私の気持ちなど…無視して。
「…もう直に日が変わりそうだ。さて、麗しき女王陛下。…婚姻は如何なされますかな?」
嗚呼。
彼の居ない世界は、こんなにも穢れ、濁っている。
エルバート、あなたは私のために戦った。
それなら…私は…
「…お断りします。私は、あなたの道具になど…なるつもりは無い!」
そう…あなたのために戦うわ。
私は私らしく、それが例え籠の中の鳥であろうと…。
最後は自分で散る。
「おお、なんと残念。
…致し方ないが、あなたも王妃様と同じ地下牢で、長い眠りについて頂かねばなりませんなぁ。
“女王は今宵、炎の中で忠実な騎士と共に死んだ。”
…オーウェン、この小娘を地下牢に連れて行け。」
そしてラザレスは私を地下牢に閉じ込めた。