ブラック or ホワイト



大広間の窓から見る、外の景色は―――

午前中とは違っていた。


雨は止み、風もない。


空は厚い雲に覆われているが、雲の隙間からは太陽の光が差し込む。


嵐の様に過ぎ去って行った、台風のような天気・・・

しかし、これは一時的なものだったんだ。


敬太を決定的に追い詰めるために…
意地悪な神様は、雨を止まさせたのかもしれない。



雨が降り続いていたら…
私と敬太は―――
離れずに済んだのかもしれないね・・・・

刑事さんが居なかったら、私と敬太は駆け落ちみたいに…2人でどこかに行けたのに―――


運命はどうして…
こうにも辛い運命なのだろう―――




「で…?17時30分頃、あなたのお子さんは部屋を出ていったんですね?」


「はい…」

鬼下刑事の迫力に圧倒されている奈央子さん。
小さな声で答えた…


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