ブラック or ホワイト



「俺は階段から転げ落ちて、救急車に運ばれるほど、弱い刑事じゃないんだよ。まぁ、ちょっと手と腕を負傷したみたいだがな。アンタは怪我ないか?」

そう言って、鬼下刑事は、私を安心させるような優しい顔をした。


「私は大丈夫です!それより病院に。…確か1つ奥の大通りに大学病院…が…」

私の頭のパズルは…
一つに繋がった。




「そうだな…病院に行…」

「鬼下刑事!事件当時、明さん、奥さんとか彼女…お子さんとかいませんでしたか?」


私は、鬼下刑事の言葉を遮ってしまうくらい、必死になっていた。




「あ…あぁ。ずっと付き合っている彼女がいた…よ。」

鬼下刑事は、私の勢いに驚きながらも、声を詰まらせながら言った。





真実が
見えてきた。



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