ブラック or ホワイト



「何してるん?」



柔らかい声、関西弁。



この聞き覚えのある声を聞いた瞬間。

自然と、頬に涙が伝った。
私が待っていた、声。


敬太の優しい声━━━


「…敬太なの?」


「…ああ。」


「………」


言いたい事はたくさんあるのに、言葉が出ない━━━

敬太に聞きたい事たくさんあるのに…

言葉が出ないよ━━━


「なぁ?最後に…俺の…頼み事、聞いてほしいんやけど…」


敬太は、私を溶かしちゃうほどの優しく、切ない掠〔カス〕れた声で私に言った。


「……何?」

私はこの言葉で精一杯だった。今にも、泣き崩れてしまいそうで━━━


“最後だなんて…言わないで?”

歪む口元がその言葉を言わせてくれなかった━━━


「…今から…俺の家に行ってほしいんやけど…」


よく分からないけど、敬太の頼みなら何でも聞くよ?


窓越しに外を見ると、
星がいつもより多く輝いていた気がした━━━

星空を見ると、
昨日、展望台で敬太と一緒に見た絶景を思い出すよ…

ねぇ?敬太…?
蒼島の星空は、無数の星がキラキラと輝いていて…綺麗だったね。



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