DeepLove−彼の弟−
もし、あの時直斗が指輪じゃなくて自分を最優先に守っていたら…
もしかしたら今も生きていたかもしれない。
あたしのために、仕事を早く終わらせて、
あたしのために、指輪を買いに行って、
あたしのために、あたしの家に向かって、
あたしのために、事故から指輪を守った。
“あたしのため”
……違う。
“あたしのせい”
頭の片隅から消えないこの言葉。
思い出すたびにつらくて、苦しくて、申し訳なくて…
無意識のうちに涙が流れる。