涙流~~RURU~~
「琴弥の学校に行ったら、俺の知らない琴弥がいっぱいいて…俺の知らない琴弥がなんか…すごく遠い人みたいな気がして…応援に行ったはずなのに…琴弥の周りにいる奴らに…頭きて…これって、やきもちだよなぁ…ホントにゴメン」



そう言ったかと思うと何度も頭を下げ、謝る智也君。



違う・・・・・。



違うんだ。



謝るのは私のほうだから・・・・・。



私も正直に言うから。



「いいの…智也君は悪くない。あたしがいけないの。智也君も分かるでしょ?」



受け止めてほしいの・・・・・こんな私だけど・・・・・。



「琴…弥?」



私を腕の中に包んだまま、智也君が私の顔を覗き込んだ。



「あたしは智也君が大好き。智也君じゃないと駄目…でもね、学校に気になる人がいたの…それでね」



智也君の悲しい目が私の目に映る。



寂しそうに曇る大きな瞳。



ゴメン・・ソレデモ・・・ハナシヲ・・・・・ツヅケルヨ・・・・・



「その人にあたしの事…好きって言われて、あたしの気持ちがゆらゆらしちゃって…智也君への気持ちは変わらないのに、それとは別にその人を気になってる私がいて…」



ゴメン・・・・・マダ・・ワタシノ・・・ハナシハ・・・・・オワラナイノ・・・・・



「自分で自分が分からなくなって自信がなくなってた。智也君を好きなのに、付き合ってるのにズルイでしょ?…他の人にもそんなこと思って…それでもやっぱり私は智也君が好き…。その人に対する感情は好きなのかはまだ分からない…でも、でも…智也君を私は好きなんだ。何が言いたいか…これじゃあ分かってもらえない…よね?」



智也君に抱きしめられている私は、こんなに幸せなんだ。



それが伝わればいい・・・・・。



それから先は・・・・・智也君が・・・・・決めて・・・・・。
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