雪のサクラ



引っ越しをした。


前に住んでいたところは日当たりも良く、野良ネコと戯れたり、ゴミをあさるカラスと激闘を繰り広げたり。

なんだかんだ言って楽しかったけど。


家賃を滞納しすぎて大家さんに追い出されてしまった。



「ふんっ」


いいんだ別に。あんなボロアパート。

お隣さんいないのに話し声するし

反対側のお隣さんはなんか毎日夜エロい声するし、

大家さん頭眩しかったし。

いいんだ別に。後悔なんてしてないんだ。

あと二年は住もうと予定立ててたけど………いいんだ別に。



なんか、ダメだなぁ…自分。



テーブルの上にあるケータイ電話に手を伸ばす。


落ち込んだ気持ちを消すために
なんとなく彼の声が聞きたくなった。



「もしもし…ソラ?」


すぐに繋がった電話。

突然迷惑だったかな、なんて
ちょっと後悔した。



『俺以外に誰と電話してんだよ。ある意味心霊現象だろそれ』


いつもと変わらない、愛しい声。


< 2 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop