王子様はご主人様!?


「ねぇ、ねぇ!あそこ行きたいっ!」


「あぁ」



「あっ!次はあそこ!!」



「ハイハイ」



さっきから俺の腕を引いて、楽しそうに笑う花梨



色んなところに行く気はなかったが、花梨が楽しそうだし…まぁ、いっか。



「ねぇ―!輝っ!次は―……きゃっ!」



突然立ち止まり、花梨をストップさせた


「まだ時間はたっぷりあるんだから、そんな急ぐなよ」


「うん…わかった!」



なんか今日の花梨は素直だ。



『ねぇ―なんであの2人が手、繋いでるの?』


『うそっ!まさかそういう関係!?』




さっきから異常に視線を感じていた



原因は俺たちが手を繋いでいるからだろう…



付き合ってることを隠していたわけじゃない。


ただ、わざわざ言うことでもないから、そのままにしてたんだけど……



「なぁ、花梨…」



「ん?」



買ったばかりの綿菓子を食べながら、首を傾げる



さっきはチョコバナナ食べてなかったか…?



よくこんな細い体に入るものだ……



「輝?」



「あ、あぁ―。俺たちさ、さっきから異常に注目浴びてるだろ?」



「へ?俺たちじゃなくて輝がでしょ?うちの学園の王子様なんだから。」



こいつは鈍いのか…?



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