王子様はご主人様!?


「お前このままでいいのかよっ!花梨が今どんな気持ちで…「うっせぇ―なっ!!分かってんだよっ!!」


手を握りしめ、イライラをぶつけるように叫んだ


「お、おい。ちょっと出るぞ」


恐らく王子を演じている俺を気遣って、クラスから連れ出そうとしてくれたんだろう……



放課後といえ、クラスにはまだたくさん生徒がいたから……


でも俺は、クラスから連れ出す蒼依にイライラがさらに募った


「っ……離せよっ!!」



屋上についたとたんに、捕まれていた腕を無理やりほどいた


「ひか…「分かってんだよっ!」


「お…「俺だって追いかけるのが正しいことだって!!」


追いかけて、事情を話すのが一番良いって……



「でもっ!俺はっ……」



俺は………出来なかったんだ……



花梨の腕を掴んで拒絶された瞬間、今までで一番の痛みが胸に突き刺さった



「なぁ―…、輝……。お前って完璧だよな…」


「……は?」



蒼依のまさかのセリフに、間抜けな声が出る


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