王子様はご主人様!?


「はぁ―…、ダリィ―」



綺麗にセットされた髪をくしゃくしゃと崩して、ソファーにドカッと座る


「何してんだよ。お前も座れ。」



なんでいつも命令口調なのよ…



「はいはい。」


「ちゃんとドア閉めろよ。」


「…は?」



「開いてると、気になるだろ?」


ふっ…と笑うあいつ


っ……



こいつ気づいてた……



あたしがわざとドアを閉めなかったこと…



こいつとの密室空間が嫌だったから、わざと開けてたのに…



「残念だけど、今は何もしねぇから。」



「っ!残念なんかじゃないわよっ!!」



バンッとうるさいくらいに、閉めたドア



あぁ〜〜自分から密室空間を作ってしまった―



「ほら、座れ」



ポンポンと叩かれるソファー


「は…?座れって…あんたの隣にっ!?」



イヤイヤ…隣なんて恐ろしくて座れない…



何歩から後退りをする



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