深層闘争

「俺に消えろってか。神様よお。」



「私は、雄亮のさらなる進化の可能性を探っているのだ。」


「僕は、僕は、争いなんて嫌だよ。」


顔も体も同じ3人が暗闇の中で対談している。

黒がナイフを握る。神も銀の剣を握っている。白はだんだん透明になって消えていく。


「いくぜ、神様よお!!!」不敵な笑みを浮かべながらナイフを構え、黒が神に走りこんで行く。

神はそれを剣でいなし、第二撃に備える。


内在闘争、まさにその構図だった。

結局、神は第二撃をかわし、その純銀の剣で黒の心臓を貫いた。
粘着質な黒い液体が傷口からあふれ出て、黒はその形状がどろどろと溶けていく。

「こんなもんで終わらないぜ。」
やはり不敵な笑みを浮かべたまま黒が消えていく。


全ては雄亮の進化の為だ。

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