オレンジラヴストラック

恋する者への壁



夕日が沈む頃、拓也に会いに行く為に城を出た。


「ソフィア様、お待ち下さい」


「何か用?グレーノン」


私を呼び止めたのは執事のグレーノンだった。


光沢が少なくなった銀のウロコを持つマーマン。


私が生まれる前からこの城に遣える執事。


「旦那様がお呼びです」


グレーノンは私に頭を下げる。


「これから出掛けるの」


頭を下げ続けているグレーノンを睨む。


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