社長のご指名 *番外編Ⅲ*
2人とも成長が早くて寂しくなる。





紗衣は、何かと“ママ、ママ”ってくっついて来たのに、最近じゃすっかりお姉さんになった。





鈴だって最近までオムツしてたし、歩くのも危なげだったのに今じゃすばしっこい。





「ごちそうさま。」


「パパー、食べないの?」


「今から仕事だからもうごちそうさまだよ。」


「きをちゅけてー。」


「はい、いってくるね。」





朔夜の後ろを歩き私も玄関に向かう。





「じゃあ、先に行くな。」


「うん、後でね。」





いってらっしゃいのキスにしては濃厚なもので、少し呼吸が乱れる。





「後でな。」





耳元で囁かれるように言われたから、さっきのキスもあり体が熱くなる。





少し心を落ち着かせ、体の熱を冷まして戻らなきゃ“ママーお顔真っ赤よー?”って言われてしまう。




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