ビターな彼に夢中[短編]

禁断の果実

冬休み。


陸上部の私はほぼ毎日
ジャージで学校に通う。


私はそんなに
早い選手とかじゃない。

でも長距離を走るのは好きなんだ。



風と鼓動だけを感じて

この瞬間だけは嫌なことも全部、消えるんだ。



――…



部活を終えて帰宅した。


部屋に向かう階段を上がると、
お兄ちゃんの部屋から音楽が聞こえた。



お兄ちゃん…



お兄ちゃんの部屋からは
女の人の笑い声も聞こえた。




彼女、来てるんだ。




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