秘密の彼氏
「ホストクラブ?」


「うん。あの店さ、一応オレの管轄っていうか…。顔を出さなきゃいけない店だから」


そうだった。


前に、連れて行ってくれると言ってたっけ。


「うん。行く」


竜二の胸に顔を埋めながら、私は答えた。


「あっ、その前に。ちょっと、イチャつこうぜ」


そう言いながら、竜二は唇にキスをした。


「こ、こんな所で?」


いつ人が来るか、分からないじゃない。


「大丈夫だって。オレに絡む奴なんかいないから」


「そういう問題じゃないよ!」


恥ずかしいんだけど…。

「愛美、黙って」


私の顔を、両手で包み込む。


そして、再びキスをした。


竜二のキスは、私を強くしてくれる…。


不思議だけど、私の元気の源なの。


だから、たくさんの、たくさんのキスをして…。

強く、深く。

もっと、もっと、たくさんのキスを。


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