秘密の彼氏

そうだ。


私、竜二に恋をしてしまったんだ。


だから、こんなに苦しいんだよね。


もう一回、竜二に会おう。


このまま、会えなくなるなんて嫌だ。


例え、生きる世界が違うとしても…。


道行く人にぶつかりそうになりながら、走っている時に、携帯が鳴った。

急いでカバンから取り出す。


見ると、竜二からの電話だった。


「もしもし、竜二？」


立ち止まり、息が切れ切れになりながら電話に出る。


「愛美？今どこ？」


「今、ちょうど繁華街」

電話口から、竜二の慌てた感じが分かった。


「待ってて。そこに行く」


竜二はそれだけ言って、電話を切った。