1分と31秒のとびら。


光の中、次々と浮かんでは消える些細な場面。

どんどん時を遡って行く。

だけどそれはすべて、"力"を使ったり、"力"について考えたものに限られていた。



(これが走馬灯ってやつかなーあ、懐かし!よく行った河原だ)


流れが速い川のすぐそばを走って行くまだ幼い私。

たしかこれは小学校の低学年の頃だったかな。


後ろで由紀が『危ないよ』なんて言ってる。



でも私は水面ギリギリに立って必死に何かに手を伸ばしている。



(思い出した。たしか子犬が・・・)


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