1分と31秒のとびら。
由紀には何でもお見通しだったりする。

気付いてくれて嬉しいような、申し訳ないような、少し複雑な気持ちを抱いて、もう一度自転車に飛び乗った。



下り坂。

風が吹きぬけて、由紀の髪からシャンプーの匂いがする。


不覚にも少しドキドキして、ひっつけていた体を出来るだけ離してみる。



もしかすると、こんな私の微妙なドキドキも由紀には分かっちゃってるのかもしれないけど。





交差点まで来て、急に自転車が止まった。




「どうしたの?」




「俺、スーパー寄ってくから、ここで降りて」」



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