1分と31秒のとびら。
私は由紀の先輩である水泳部の部長さんに恋して、夏休み前の必死の告白も虚しくフラれたのだった。

しばらく忘れてたけど、口に出すと傷口はまだ完治してないみたいで、鈍い痛みが胸に広がった。



それから私たちは会話もなく、ゲームと雑誌にそれぞれ集中した。

なぜか少しの気まずい空気と共に。


その空気を壊したくて、わざと元気な声を出してみる。



「あーあ、私もハワイ行ってみたかったなぁー」



「行って何するわけ?」



「ビーチでかわいい水着でのんびり日陰でトロピカルドリンク飲みながらうっとりしてたら素敵な男の子にナンパされるの!」




「・・・・・・」



「・・・・・・」


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