1分と31秒のとびら。
「それ、襲われても文句言えないよ」



「お、おそ・・・・・・・」



それまでテレビの方しか見ていなかった由紀がゆっくりこっちを振り返り、とびっきりの意地悪な微笑を向ける。



「それとも、襲われたいの?」



な、な、な!
何言ってるの由紀!?



「・・・・・・っ!私、か、かえる!!」




そんな私の様子を見て、満足そうな表情をしながらヒラヒラと手を振る由紀。




私はまるで50m走のような力走で外に飛び出し、自分の家に戻ったそのままの勢いでベッドにダイブした。


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