1分と31秒のとびら。
図書室の本棚と本棚の間は少し暗い。

静かすぎて、エアコンの音と時計の秒針の音がすごく大きな雑音に聞こえる。


体がぴったりとひっついているから、心臓の音を聞かれてしまいそう。



「ひより、恥ずかしいの?顔、真っ赤だよ」



くそっ!またからかわれてる!!

ここは落ち着いて、逆に由紀をからかってやる!!!!


私はそらしていた視線を由紀にしっかりと向けた。



由紀は少し驚いたみたいで、首をかしげて私を見つめ返す。



「ゆ、由紀・・・・・・」



「ん?」



「キス、しよっか・・・」


< 92 / 146 >

この作品をシェア

pagetop