月の下の砂漠の上で

近づく距離



「ここが神秘の搭」

「…神秘?」

「あぁ、何をしてるのか俺も詳しくないが多分ムーンディサートを支えてる何かがあるってマーカが言ってたな…」

マーカ…

さっきナチの話しにも出てきた人

本当にどこで聞いたんだっけ?


《マーカはもう反対するだろうが絶対に行こう 。》

《ええ。あっセイラの花を摘んでしまってマー カは怒らないかしら?》


「夢だ!!」

そうだ、夢の中で聞いたんだ!!

「夢?」

「あ、うん。マーカって言う言葉、夢で聞いて…。でも、偶然だと思う。」



「…そうだった。」

「ん?」

「…美月、やはり日本に帰りたいか?」

「うん。帰りたい。」

「そうか … マーカに帰ってくるように頼んだ。まだ やらなければならないことが残ってるようだから半年は帰れないそうだ。」

半年?

「マーカに聞けばお前の国のことも知ってるだろう」

日本に帰れるのかな…

半年、長いなぁ

でも、今はそれしか手がかりがない。

「ライル、ありがとう」


額に皺をよせて難しそうな顔をしてるライル






このときは知らなかった…

ライルといられる半年が本当に短くて

どれほど大切な時間か



…どれほど この日々が永遠に続いてほしい

と願ったか



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