短い恋バナ

居酒屋に着いた時にはもう社員が10人くらいいて


優里さんもみんなにチヤホヤされながら、それでも窪田さんの横を離れなかった。


私はそんな2人をチラチラ見ていたけど、


胸が痛くてたまらなかった。


〜♪――♪―〜


「もしもし?どうした?」



電話は後輩からだった。


「残業してるんですけど、どうしても間に合いそうにないんです…」


「分かった。今から戻るから」



電話を切った私は盛り上がったみんなの邪魔をしないようにそっと店を抜け出した。



外の空気が冷たくって


さっきの窪田さんのあったかい手を思い出した。


胸が痛いなぁ。



白く消えていく私の息が気にならないくらい


気持ちがはしゃいで



身体が焼けるようだった。
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