センセイのチカラ―受験生応援小説―



「なかなかスムーズに読めました。はい、よろしい」



黒岩は、授業中は丁寧な言葉遣い。


英語を読み終えた私にそう言って、ちょっと笑顔を向けてくれた。



何となく・・・・・・



私にだけ特別??って感じの笑顔。




スムーズに読めたのは黒岩のおかげ。


黒岩が出してくれた昨日の宿題は、このページを3回読むこと!やったもん。



はぁ・・・・・・


私、この人の授業何十回も何百回も受けてきたんよな?



無駄にしてた。


もったいないことした。




過去の黒岩の授業を全部DVDでもう一回観たい・・・・・・!!






「小阪、ここ訳して。一回当てられたからって油断してましたね」



く、黒岩ぁ~!


そんなところも好きやけど。




バッチリ訳せた私に、また一言。



「はい。珍しくよくできました」





えへ。


褒められちゃった。




1年の時に、恋してたら私って英語の成績学年トップやったやろうなぁ。





< 43 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop