風になれ

新任顧問

ペコンっ

変な所にボールが当たって変な音が出た。
案の定、ボールはコートの外へ。

「ちょっと~野風!」

責めるような大声が
コートの向こう側から飛んできた。

「ごめんごめん優子!」

負けじと大きな声で返す。
大して声が大きくない私は
めいっぱい張り上げないと向こう側まで
声が届かないのだ。

とりあえず
気をとりなおして打ち直そうと
横にあるボールの入った籠に手を入れた。
大量のボールが手に触れているのがわかる。

この調子で打っていても
しばらくはボールに困らないな~とか
思いながら私は優子に向かって
ボールを打った。
< 36 / 168 >

この作品をシェア

pagetop