風になれ
「そんなに緊張しなくていいから。
 …瀧はコースを狙えてるけど
 いきなりとばしすぎ。
 練習の最初の方からあんなに
 思い切り打ってたら肩を痛めるぞ」

最初の方はにこやかだった先生の顔が
最後の方には真剣になっていた。

でも、確かにそうかもしれない。
最近肩が痛いことがあったのはこのせい?

「…はい!
 ありがとうございます!!」

私の返事に先生は笑顔で返してくれる。

「じゃあ今言ったことを頭に入れて
 練習再開しよう」
「はい!!」

みんなでコートに散らばる時、
私はちらりと広内先生を見た。
なにやら南に話している。
きっとアドバイスだ。

凄い先生が来たんだな…。

少し生徒を見ただけでくせを見抜ける
先生に感心しながら私は打ち始めた。
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