風になれ
なんとかワンゲーム先取。
だけど次はサービスだ。
まだ不安な私は峯岸さんとの試合で
カットサーブを使わなかった。
でも、、ここで使うしかない。

大地くんのサーブは、
ここ数日間で確実にレベルアップして
優子はもちろん原田くんですら
上手く返すことが出来なかった。
ともなれば、私のサービスは
相手にとって絶好の点取り時だ。

「大丈夫、行けるよ、野風!」

私の心配を悟ったらしい大地くんが
横で笑ってくれた。

「うん!」

ふっと肩の力を抜いて
私はボールを空へと上げた。
< 90 / 168 >

この作品をシェア

pagetop