ー時効ー


一年で翔太と同じクラスになった


二年では離れてしまったが

三年でまた同じクラスになった。


翔太が初めてて智弘に声をかけてきたとき

智弘はこいつとは仲良くなれそうもないな、と
瞬発的に感じた


自分とは違う雰囲気がする人間だ、と思った


智弘は中学からサッカー
一筋で、高校へもサッカーの推薦で入った


勉強そっちのけでサッカーに取り組んだ。だから頭は良くない

勉強は必要ないのだ

サッカーさえ出来ればよかった。自分は絶対Jリーガーになる、そう思っていた

しかし高1の夏、練習で足を折りサッカーができなくなった。
サッカーを諦めた。


そんなとき『部活やめたの?』、と話しかけてきたのが翔太だった


翔太は顔立ちははっきりしてるものの、見た目はひょろひょろで 背も低かった。

おまけに制服のサイズは
間違いなく1つ大きかった

印象も薄く、目立つタイプではなかったし 話したこともほとんどない。喋りかけられたとき

俺か? いや俺しかいないだろ

と5秒ほど返事をするのに間があいた




『、あぁ〜。うん、まあ
…辞めた。なんで?』

『バンドとか、興味ない?』

こうして智弘はサッカーの変わりに歌を歌いはじめた。

サッカー以外、初めて夢中になれたものだった
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