年賀状の差出人



彼女が……“花峰美鈴”。



「ここ、座ってもいいですか?」


「どっ……どうぞ…」


俺は驚いていた。


だって、まさか。

だって、まさか“花峰美鈴”が。





白い肌にブラウンのサラサラした髪、ナチュラルな化粧も似合っていて…。


こんな美人だとは思わなかったからだ。



「どうかしましたか?」


「い、いえ…何も」


平常心を保ちながら、俺は彼女に言葉を返した。



いやいやいや…。

こんな展開はありそうで、普通では考えられないよな。


年賀状の住所を間違えた人と手紙を交換して、会うことになって。

しかも、その相手がかなりの美人ときた。



まさに、漫画の世界だ。


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