ウラコイ2 銀幕の旦那様
〈めぐみ目線〉




「ちぃ姉。」



あたしは姉の名を呼んだ
振り向いた顔はわらっていた




「お疲れさま。…」


「うん、つかれたよぉ。…」



あたしが言うと彼女は笑う
自分だって疲れてるのに
疲れてるなんて言わない



そういう彼女を
あたしは優しいと思う…


「…監督が色々先延ばしにしてたから、ツケが…回ってきてんだね。」


「もーう、」




あたしはペットボトルのお茶を一気に飲み干す



「…あら一条妹。」


「美帆さん、」



「おつかれー美帆。」



美帆さんは はぁあと息をはいた



「ったく、汗かくからって何回も何回も、手が粉だらけよ。まったく…神田弟も何回したことか」


「ははは…。」






休憩所は スタッフや俳優が
入れ替わり立ち替わりで使ってる





あたしは無意識に
あの人を探していた…





市村さん。





彼は神田さんと仲がいいみたいだ。


よく話しているのを見掛ける






「…そういえば、お兄さんとの食事会はまだ?」


「まぁ近いうちに、あたしにも心の準備つぅもんがあるからね…」




「へぇー」




ちぃ姉は 楽しそうに笑う


「あんた達も早くしなさいよ。色々あんだろーけど、」
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