ウラコイ2 銀幕の旦那様



「しかし神田君も…似てくるもんだなぁ。怜一に…まるで瓜二つだなぁ、」


「憎たらしいくらい似ているとこの間言われました。よく分からないですが…」



この流れのままもっていこう



「いやいや…。その通りだよ。君を見てるとアイツとはじめて会った時を思い出すな。…」


「はじめて会った時とは?」



勘十郎さんは腕を組みながら宙をみる



「映画かなにかだったな、アイツとはじめてあってさ初日から喧嘩ふっかけてきたんだ。噂にはよく聞いてたが本当なんだとあらためて思ったよ。…」


噂か…

おかしいと思ったら監督に
でもつっかかっていった親父…



あとでただの
芝居馬鹿だとわかったよ。


「…だからか父を嫌いな人間もいたみたいですね。勘十郎さんは、なぜ父を…」



「…ああいう人間が羨ましかったからだと思う。私もあの頃は駆け出しで自信がなかった。なのに彼は自信で溢れていた、」



生意気で自信たっぷりで
出来ない事なんかない態度が憎たらしかった…




「けど、違ったんだ、アイツは誰よりも不安だった。みなに期待されて、人気俳優なんて言われて、期待以上の事をしなければならないプレッシャーがいつもつきまとってた。」



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