ウラコイ2 銀幕の旦那様





たくさん我慢して

たくさん悩んで



離れようかとも思った



でも彼は嫌だと言ってくれた



『わたし』を選んでくれた










目頭が熱くなる
泣いてしまいそうだ…


「みちるさん」


「…」



翔太君はそっとテーブル越しに
手をのばして頬に触れてくれた


「泣きそうな顔をしてる。」

さっきとは違い心配そうな顔をしてる



「違うよ。これは嬉し泣きだから、泣いてもいいの」


「本当に?」

「ほんと、」





「……」





つーと涙が流れる











「涙って嬉しくても出るんだね…わたし出ないものだと思ってたのに、」




翔太君は なにも言わなかった


ただ黙って微笑んでいた










怜一さんに似たけれど

どこか違う優しい笑い方で
わたしが泣くのを見ていた








「いまからそんな泣いててどうすんだよ、まだこれから沢山あるよ。嬉しい事なんか」



「そうだね…なんかほっとしたのかな…」



早すぎだよと翔太君は笑った







チャララ~とケータイがなった



「ん…あぁ俺だ。一条さん」

「あ…」








翔太君はカチカチとケータイをいじった




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