恋の教習所
教習項目2:好きなら進むことができる
私の指導員になる為の勉強が始まった。

なんだか・・・・・。
たくさん覚えなきゃいけないことがあって、私は必死。
さらに、ペーパーテストだけじゃなくて、運転と面接もある。

正直・・・・・。

今までで一番勉強したかも。


運転は運転で“指導員としての運転”をしなきゃいけないみたいで。

普段運転していたのじゃあ、だめ。

ただでさえ、普段の運転もうまくない。


「・・・・・・・・・一ノ瀬さん。」

ほら、横に乗っている山本教官の表情が固まっているのがわかる。

同期の笠井君は後部座席に乗っているけど、呆れてるんだろうな。

「はい・・・。」

私は返す言葉が見つからなくて、返事のみになってしまった。

「もっともっともっと!!練習しないとだめだね。」

はい・・・。

頑張ります。

「じゃあ、10分休憩したら次は笠井君ね。」

山本教官はそう言って車から降りた。

笠井君もついて降りる。

二人はタバコを吸うから、喫煙所へと向かって行った。


私は、一人でコースを見ていた。



今の時期は進学などし終わっていて、教習生の数はまばら。

教習車の台数もわずか。



私の時は、たくさんだった。

優先関係とかどうしたらいいんだろう?って思いながら乗っていた。


懐かしいな。

あの頃担当だった教官は、私たちの年齢から言えばおじいちゃんって感じ。

でも、今もここの教習所で教官をしている。

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