夜色オオカミ




十夜の腕の中で、あたしはやっと落ち着いた。



十夜がいてくれたら、恐いモノなんて何もない……。



安心してくっついていたら……



「おまえ、俺の家に来い。」



「え…っ、えぇっ!?」



十夜からいきなり爆弾発言をされた。



「祈咲を一人にしときたくねぇ。

おまえの親が納得するようなうまい理由はねぇもんかな………。」



「………!!?」



そう言って難しい顔をして真剣に考えてるその様子はっ



大マジじゃないの……!!?



「とっ、十夜……っ?」



戸惑うあたしが恐る恐る声をかけると



「あー…めんどくせぇ……。

いっそ俺が挨拶するか。

『お嬢さんを嫁に下さい』って……。」



「………!!?」







なっ?…と、あたしを振り返るその顔こそ







大マジじゃない……!!!








あたしの中に







この男なら間違いなくやる……!








そんな言葉が浮かんだ……。











< 127 / 472 >

この作品をシェア

pagetop