夜色オオカミ
――――「大嫌い」
耳を疑った。
あれほど愛し…愛された兄にかけられた最愛の人の言葉。
『…この本を書いた人狼の花嫁はどうしたと思う?』
『本を書いた…?』
『……自殺した。』
『………!?』
残酷な未来は…
既に描かれていたんじゃないか。
それでも止められなかった想いは
『俺なら、どんなことをしてでもそんなことさせねぇって…本気で思ってたんだ…。
…ユリの、誰の気持ちも考えず…
……俺は、馬鹿だ。
愛されたまま、死ねばよかった……。』
――――最悪の結末しか、生みやしなかった。