夜色オオカミ




出歩かないという花嫁達のこともこれで納得した。



500年前の事件のその後より、自分の花嫁を守る為に…人狼達の中に自然と広がったものだったんだ…。



だから年若い人狼達は隠された過去に理由も知らず、同じように習ってきて今の状況を作り上げたんだろう。







十夜は……



ただ黙ってお父さんを見つめていた。



その眼差しはどこか険しくて…



そして、意を決したようにぎゅっと拳を握りしめた。












「親父は……本当は………


俺を、憎んでるのか……?」










ただ、



それだけを、






十夜はお父さんに、……聞いた。










本当の父親だとか、お母さんだとか…



それよりも何よりも



それが、十夜を脅えさせるものの全てなんだね。







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