夜色オオカミ
声を出さなきゃ
これを止めるためにあたしは来たんだから…
地を這うように低い唸り声が二人からあがる。
それにゴクリと唾を飲み込んで、息すら止めていたことにハッとして…ふー…と息を吐いた。
「………。」
よし。
心を決め顔をあげた
――――次の瞬間
「よく……よく来た………!
…器の花嫁!!!」
「……!!?」
紫狼が、赤黒く染まった牙をギラつかせ
あたしを、見つけた。
「祈咲……!!?」