夜色オオカミ




「………あたし、怖がってる?」



そんなことわかってるくせに……



意地っ張りなあたしは萌花に確かめる。



「怖がってるわよ?」



萌花もわかってるくせに、また、答えてくれる。



「…………。」



「………っ。」



「「あはははっ!!」」



顔を見合わせて先に吹き出したのはやっぱり萌花で……



二人して大声で笑った。



周りの視線が集まって萌花と顔を見合わせて口を押さえた。



気持ちが何だか軽くなる。



目尻に溜まった涙を拭う。



「泣くほど笑うんじゃないわよ。」



「…うるさいな。」



これも…わかってるくせに。



心が軽くなったら涙が出た。



優しい親友の気遣いが嬉しかった。



意地っ張りで、ごめんね。



だから、ありがとうも心の中で。



「萌花、大好き。」



「知ってる~。」



それにぜんぶを込めたことを萌花はいつだってぜんぶわかってくれる。



親友が押してくれた背中が軽かった。



明日は笑顔で、



あの夜色の瞳を見てみようかな……?






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