夜色オオカミ
恐る恐る……
硬く閉じていた目を開いてみる。
捕まれていた腕を震える手でさすった。
辺りはシン…と鎮まり返り、
さっきまでいたヤンキー達が誰一人として残っていなかったことにひとまず安堵した。
だけど
――――グルル……
「……!?」
――――あの音だ……!
瞬間的にそう確信した。
その低い“音”に、あたしの心臓ははね上がった。
バクバク忙しなく動く心臓を抑えたくて、思わず震える手でぎゅっと服の胸元を掴んでいた。