Confrontration
休憩室の前まで来て眠気がやってきた。おそらく先程の電話で安心したからだろう。欠伸をかみ殺しつつ体を休める為、ドアを開ける。
室内は誰も利用して居らず、当然静かで暗く。灯りを点けようとして、人の気配を感じた。
「…誰だ?」
「早く閉めてくれ」
その声を聞いて慌ててドアを閉めると、訪問者は静かにベットの枕元にある、淡いオレンジ色の常夜灯のスイッチをいれた。
ふわり広がる優しい灯りの中、見知った顔が浮かぶ。
「すまない、アキラ」
訪問者が謝罪を口にする。
突然の来訪に驚かされて、フゥーと大袈裟に息を吐く。戻ってくる、とは聞かされていない。
一週間前と全く同じだ。
「…悪い」
「いや、驚いただけだ」
それにしても急な彼の行動に嫌な予感を感じ、仮眠用ベットに腰掛け彼の顔をうかがう。
「…何か、あったか」
こちらの疑問に答える代わりに、彼はその端整な顔に少し笑みを浮かべる。
「…お前と、少し話が…な」
穏やかな声音だった。