近くて遠い君へ

触れるだけのキス。


もう一度、放心状態のミナちゃんの頭を寄せ


今度は深く唇を重ねる。


その柔らかい唇に


柔らかい体の感触に


このまま堕ちてしまいそうになる。


唇を舌で舐め、そのまま少しだけ開いた唇から舌を入れる。


「ん…やめ…。」


我に返ってトントン胸を叩くミナちゃん。


ゆっくりと顔を離す。


こんなに間近でミナちゃんを見たのは初めてだった。


潤んだ瞳が物凄い色っぽい。


―と、
事務所の方から大きな声が聞こえて来た。
< 66 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop