【短】放課後、人魚が泳ぐ
four water
「………」


「………」

歩いている途中、俺達は一言も話さなかった。


しばらく歩いて行って、半分の地点に到達した頃、魚住は

「……あ…磯の香り…」

と呟いた。


「……?」

俺も鼻をきかせるが、磯の香りなんてしない。


《…ああ…やっぱり彼女は人魚なんだな…》



無言のまま歩き続けると、海が見えてきた。


「……懐かしく感じるなぁ。

1週間しか離れてなかったのに…」


「すぐ…帰るのか?」


「ううん。使いの人を呼ばなきゃ!!」

そう言って魚住は…
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