年下の幼なじみ〜甘々な恋を年下の彼に〜


あたしは、いつだっていっぱいいっぱいだ。



いつも、余裕な翔なのに、今日はどこか余裕が感じられない。


「葵……っ
わりぃ、今日は優しく出来そうにない……っ」



「ぁ………っ」



翔がそう言った瞬間、あたしの身体に、鋭い痛みが走り、思わず、翔の腕を握りしめていた。



───…



気付いたときには、あたしは翔の腕の中にいた。



「今日の葵は可愛かった」


翔が意地悪な笑顔でそんなことを言うから、あたしは恥ずかしくなって真っ赤になってしまう。



「もう……っ、言わないでっ」



翔から、プイっと顔を背けると、



再びあたしを抱きしめた。



「葵、チョコありがとうな、最高のバレンタインになったよ」



と、最高の笑顔で囁いた。






ハートのバレンタインデー【完】



< 56 / 76 >

この作品をシェア

pagetop