Liar
そんなある日、いきなり地下室の扉が開いた。
「やあ。もう大丈夫だよ、僕が助けてあげるからね」
穏やかな声が耳に届く。
久しぶりに見た光が目に突き刺さった。
「怖かっただろう?でも安心して。もう、終わったんだ」
目がかすんでその姿はよく見えなかったけど、男の人だってことだけはわかった。
彼は優しく私を抱きしめて、
「君はこれ以上傷付かなくていい……」
歌うように囁いた。
それが私と雨水の出会い。