Liar





「よろしく、穹(ソラ)」




「こちらこそ、藍(アイ)」




人間不信の私が、なぜこんな怪しい人物を信頼してしまったのか。




しかも一人暮らしの女の子の家に、成人式を迎えて二年も経過した青年を招いてしまうなんて。




だけど、どうにも安心できたのだ。




論より証拠とは言うが、論も証拠もない。




ただ漠然と確信した。




この人なら大丈夫だと。




―――まぁ、それは私の買いかぶりだったのだが。





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