いつまでも君を見ている
でも、そんな中。

「なんなんだ!君は!」

と、お父さんが言う。

銃は突きつけられたまま。

「黙れよ」

ダンッ……

銃声と同時にお父さんのうめき声と床に倒れる音が聞こえた。

「……うっ……」

「おとうさん!」

家族みんなでお父さんに近寄る。

肩から血が垂れていた。

「…あなた」

お母さんも、私も、妹も、唖然として、お父さんの肩を見ていた。

唖然としたまま、私たちはロープで手首を縛られた。

そして、男が金目のもの全部取ったと思って、安心した。
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