地味子がモテ子になれるまで

千歳side





「…なんで知ってるんですか?」



カナメがそう言った。



俺は驚き
椅子から立ち上がった。



「覚えて、ないのか?」



カナメは目を
下げて話し始めた。


「私6歳のときの記憶っていうか…覚えてないんですよ。」



俺達は顔を見合わせ
確かめるように言った。



「あの約束もか?」



「約束…?」



カナメは本当に
覚えてないみたいだった。



「本当に覚えてないの?」



壱瑚が
悲しそうに呟き、



「……ごめん、なさい」



申し訳なさそうに
カナメは謝った。




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