メルト・イリュージョン
第一章*舞った嘘、消えた偽善

0(ゼロ)の螺旋



その廃墟となったガソリンスタンドは、治安状態がすこぶる悪いとされるモニュメント地区から、更に二区画も進んだ所にあった。


周囲に人気はなく、立ち並ぶ民家や店の窓やシャッターも締め切られており、街全体が閑散としていた。

砂埃を孕んだ乾いた風が、すっかり寂れて朽ちかけた看板に容赦なく叩きつけ、まるで銅鑼の音のような反響音を響かせる。

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