難しい恋は遠慮させてください
プロローグ
今日は中学の卒業式。

式の途中で泣き始める生徒達。

私もその一人だった。

式を終えて、卒業部員みんなで部活の後輩のもとへ行った。

「リオセンパーイ!」

「はーい!」

部活の後輩と私は特別仲良しだった。
一緒にお祭りに行ったりするほどの仲。

「…リオ先輩。ちょっといいですか?」

「ん。いいよー」

私は後輩と一緒に校舎裏に行く。

このパターンは慣れてる。

「リオ先輩。ずっと…好きでした」

はい。きた告白です!

「ごめんね。私は付き合えないよ」

「何でですか?他に好きな女(ひと)いるんですか?」

いやいや問題はそこでなくてね?
君が女だからですよ。

「好きな男(やつ)はいないけど…」

「じゃあ何で?」

「君が女の子だから。」

後輩は目に涙をためて走っていく。

だって無理でしょ…

私女ですよぉ!
女の子と付き合えないって!

私はまた部活の後輩たちのところへ戻る。

「あっ!リオセンパーイ。ギュッてしてー」

「ホッぺにキスしてー!」

何かがおかしいよね…?
これ言ってんのみんな女の子だよ?

そう。
私は女子にモテる女。

後輩に付けられた私の肩書き。

それは…
『男子よりもかっこいい女』
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